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修理実績

2020.07.16

兵庫県M様 ポルシェ912を色替え全塗装しました

今回はポルシェの名車、ポルシェ912を色替え全塗装致しました。

1965年に発売された車です。

ポルシェ911に4気筒エンジンが搭載された車です。

日本に正規輸入されたのは、たったの100台と言われ、

とっっっても貴重な車です。

 

それでは作業工程をご紹介いたします。

青から黄への色替え全塗装です。

 

 

Before

 

 

After

 

 

 

それでは作業開始、まずは分解から始めます。

 

 

ボンネットの裏、表の塗料を剥離します。

表側には板金の跡、裏側には防音の為に分厚いコールタールのようなコーティングが

塗ってあり、ベルトサンダーを用いた手作業で除去するため、大変時間が掛かります。

 

 

 

塗膜の除去が済んだらプライマーを塗って、更にポリパテを塗って

表面の凹凸をペーパーで研いで仕上げます。

 

 

錆び、凹凸がなくなるまで仕上げたらサーフェーサーを塗って仕上げます。

 

現在のハーネスのつなぎ部分はプラスティック製のカプラで簡単に抜き差し出来ますが

この当時の配線はターミナルごとにネジで押さえつけて結線していました。

組付け段階で確実な作業をするためにも、しっかりと記録しておきます。

 

 

次はフロントフェンダーの処理です。

まずは旧塗膜の剥離から始めます。

全ての塗料を剥ぎ取り下の鉄の状況を見ます。

 

塗料を剥ぎ取ると過去の修理履歴が分かります。外車の場合は修理工場が
日本以外のケースもあるので、世界中の先輩が修理をした跡を見る事が出来ます。
(アメリカの先輩はっきり言って大雑把です。穴を空けて引き出しても
跡を溶接もしないで厚いパテで塞いでいるだけです。)
使用されたパテなどを見ると、現在の材料がいかに良くなっているかが実感できます。

 

 

裏も、表も側面も全ての塗料を剥ぎ取ります。工具が入らない所は手作業です。

少しでも綺麗にするために手を抜く事は出来ません。

 

次に、リアゲートの作業です。

他と同様に旧塗膜を剥がして、プライマー、ポリパテを塗布していきます。

 

 

全てのボルト止めのパネルとガラス類の取外しが終わり、

続いてボディ本体の作業に入ります。

 

ボディも旧塗膜を剥がしていくと、修理歴が現れてきました。

 

 

剥離が終わったらプライマー、パテ、サーフェーサーで仕上げていきます。

 

 

 

 

 

これは細かいヒズミやキズ等を見落とさないためのひと工夫です。

白いサーフェーサーの上に、シリコンオフを混合した黒い塗料を仮塗りしています。

それを研磨していくことで、ヒズミやキズ箇所の黒い塗料が残り、目印となります。

市販の専用商品もありますが、弊社では独自に作成しています。

 

 

 

エンジン、足回りの取り外しが終わったらボディの下回りを修理する為に

特別な台車にセットします。(これにより下からの作業が容易になります)

 

 

ホイールも旧塗膜を剥離し、下地⇒ サーフェーサー⇒塗装 で仕上げました。

 

 

アンダーボディのアンダーコート、エンジンルームの錆止めアンダーコートを

剥離しています。殆どがコールタール状で全てが手作業、大変な作業です。

 

トランクルーム内も同様にアンダーコートの剥離作業です。

日本に来て半年のトゥアン君、途方に暮れながらの作業です。

 

 

 

 

 

 

燃料タンクも綺麗に塗料を剥離ます。

 

 

足回りの部品も一度塗料を剥離して再塗装を致しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ、塗装ブースで仕上げ作業に移ります。

 

 

 

 

 

 

ルーフの内張(ヘッドライニング)の取り付け。

現在は樹脂で出来ているので取り外しは簡単で、クリップの破損さえ気を付ければ

誰にでも出来ますがこの時代の車の内張はベテランでないとシワ、破れたり、

汚れたり大変な作業です。(当時はシート、内張専門の業者さんがいました)

 

今回はワイヤーハーネスも新品をオーナー様が特別注文で揃えて頂きましたので

エンジンルームからインスルメントパネルまで全て交換いたしました。

 

 

 

フロントガラスとリヤーのガラスをはめ込みます。

モールも変形、劣化していて大変苦労をしました。

 

 

4輪アライメントの測定、調整です。

そのほかの点検、完成検査です。

 

 

完成です。

お客様に喜んで頂けると嬉しいです。

 

長文になりました、最後までご覧いただき有難うございます。