2018.04.06
今回は新型NBOXの事例です。
左スライドドアとリアクォーターパネルを壁か何かに擦ってしまった車両です。
保険(車両保険等)を使用しての修理だったとしたら、スライドドアは新品に交換するレベルの損傷です。
お客様との打合せ時点では、保険を使うべきかどうかの議論をすることが多いです。
その際は「修理お見積り額」と「保険を使った場合の保険料UP額」を比較します。
感覚的には、最近は10万円前後の修理見積りだと保険を使わないケースが多くなっています。
保険を使った場合の保険料UP額が20万円(3年間)近くになるケースもあります。
そういう時は交換部品をおさえて(修理で進める)、費用を落として自費修理をご選択頂くことになります。
今回も自費修理を選択いただいたケースで、リアドアを交換ではなく、修理いたしました。
それでは修理過程をご紹介いたします。
先ずは分解からはじめます。
スライドドアはボディから外して作業します。
リアクォーターの作業をするのに、室内が汚れないようにカバーをして作業開始です。
タイヤハウスを引き出し(左写真)、アウターパネルを引き出すためにワッシャを溶接します。
ラインに沿って溶接したワッシャを引き出しながら「二番」を落とします。
※「二番」・・・パネルが凹むときに、そのまわりの膨れ上がったところを「二番」といいます。
テコの力も利用します。(左写真)
スライドドアのラインの凹みも同じように板金修正します。
直定規を当ててチェックします。
ある程度修正がおわったら、旧塗料を綺麗に剥離して、汚れ・油を取り除きます。
次に板金パテを塗ります。(写真の茶色いやつ)
余分な部分は柔らかいうちに定規なので剥ぎ取ります。
板金パテを乾かします。
次に、より極めの細かいポリパテで仕上げます。(左写真の黄色いやつ)
ポリパテを乾かして、ヤスリで研ぎこんで表面を整えます。
次にサーフェーサー(下地塗料)を塗布し、ペーパー(やすり)で足付けします。(塗料を付着させるため)
足付けが終わると、マスキングをして塗装の準備です。
塗装ブースにセットして、いざ塗装作業に入ります。
塗装が終われば組付けして、磨いて完成です。
かなり大きな損傷でしたが、どこにキズがあったか分からないほどに綺麗になりました。