2016.04.08
今回は2トントラックの改装車両です。
前回の架装からかなりの年数が経過しているため、いたるところが腐食・サビ・穴あき状態でした。
雨漏りもしていました。
再使用できるように修理して全塗装を行わせて頂きました。
Before
After
今回の修理は難題です。
まずはどこがどうなっているのかを把握するだけでも大変でした。
過去に応急修理をしたのでしょうか、サビて穴が開いた箇所に鉄板をリベットで取り付けているだけです。
鉄板を取り外したら、、、↓右の写真のように大きな穴が開いていました。
他にも気になるところをハンマリングで確かめると、腐食が進んでいて簡単に穴が開いてしまう状態でした。
ボディサイドの鉄板同士もサビでつながっている状態です。
屋根の繋ぎ目もサビて腐ってしまっています。
以上で損傷診断は終わり。
作業に取り掛かります。
先ずは応急修理の箇所、継ぎ当ての鉄板を剥ぎ取ります。
内部に保温の為の可燃物が入れられているので溶接は難しいそうです。
全体の腐食部分のサビ取りから始めます。
ダメージの大きな鉄板は切り取ります。
サビを削って、鉄板の素地を出します。
側面はほとんどが「補修」よいうより、鉄板の張り替え作業になりました。
小さな箇所は鉄板を切り継いで埋めます。
何とかボディらしくなってきました。
ここからが大変な作業です。
腐食した鉄板を切り取ります。
部品を作って溶接を行います。
可燃物が多いために、最小限の溶接で済ませます。
溶接ができない場合、↓の「溶着ボンド」を使用します。
これは飛行機の翼を取り付ける際に使用されているといわれる優れ物です。
溶着ボンドとリベットを駆使して、パネルを取り付けていきます。
ルーフ部分はこれでOKです。
フロントのカーブが多い部分はグラスファイバーで成形をします。
まず穴をアルミホイルで塞ぎます。
その上にグラスウールと樹脂を塗り重ねていきます。
樹脂パテを塗って、削って、形が出来上がりました。
以降は塗装準備のための表面仕上げです。
板金パテ→成形する→巣穴ができた箇所に中間ポリパテをして巣穴をつぶします。
「塗って」「研いで」を繰り返して表面を仕上げます。
表面が仕上がったら、サーフェーサー(下地塗料)を塗ります。
今回は各所に防水シーラーを塗付して水漏れを防ぎ、ボディ全体にサーフェーサーを塗りました。
やっと塗装作業に漕ぎ着けました。
ドアー、そのほかの部品も下地処理をします。
各パーツを塗装ブースに入れて、塗装準備を行います。
7つある塗装ブースを使って、複数のブースに分けて準備を行います。
1つのブースにたくさんのパーツを入れて塗装作業を行うと、ペインターの移動が増えて
ホコリやブツの付着の原因になってしまうためです。
ボディは昇降機があるブースを使用します。
車体を地下に下げて、ルーフを塗装します。
無理な体制でルーフを塗装すると、ムラなどの原因になります。
ルーフが終われば、ボディ全体を塗装していきます。
全ての塗装が終わりました。
あとは組み付けで完了です。
最初の状態から考えると、見違えるほどの仕上がりにできたと思います。