2015.12.08
フェンダーの難しい修理です。
昭和50年代のニッサンの名車です。フェアレディZ。
弊社、社長も色違いですが3年間ほど乗っていた、240Z。
「懐かしい」とつぶやいていました。
左折中に大きくて硬いものに接触して、大きく損傷してしまったようです。
新しい部品(フェンダー)の手配もできますが、時間が掛かり高価なので、板金修理をします。
左フロントタイヤも接触してサスペンションもOHが必要です。
フェンダーは大きく引っ張られてドアーとの隙間も大きく開いています。
通常であればフェンダーを取り外しての板金作業になりますが、今回は変形が大きいので外すと
ボンネットやドアーの隙間が合わせつらくなるので取り付けたまま作業をします。
この頃の鉄板は現在の車と違ってガスで加熱をすることができます。
板金を進めていくと歪みが発生します。溜まった歪みを除去するのに下図左のように加熱をして、
その部分に応力を集めてハンマリングで平らにしていきます。職人技です。
下図右のように加熱の痕が残ります。熱する→ハンマリングを繰り返します。
板金を進めて、凹みをとって、形を整えて、、
旧塗膜を剥ぎ取りパテを付ける為の準備です。
ほとんどフェンダー1枚にパテが付きました。
このパテを研いで仕上げるのも高度な技術と時間が掛かります。
サーフェーサーを塗って乾燥させます。これで表面から錆びる事はないですが、裏側からの錆び
を防ぐためにフェンダー裏側にアンダーコートを塗り重ねます。
ドアーもボカシで塗ります。ひずみは綺麗に取れているようです。
乾燥後、磨いてサスペンションのOH、アライメントテスト、完成検査をして終了です。
現在は、少しの衝撃でも交換したほうが簡単・安価であったり、修理手法も大きく変化しています。
今回のような新しくない車の修理においては、昔ながらの板金技術が大いに発揮されます。
新和自動車では、このような職人技を大切に伝承して、高い技術を持ち続けたいと考えています。